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1.地震対策って何がいい?

(2020/5/2のYouTubeトークライブの内容を再編集したものです)

大端:はい。木の家建築展参加されてる皆さんの方で、今回はユーザーさん側から質問を集めまして。で、参加されてる皆さんにちょっとお答えたえいただくという趣旨で1時間ですね。時間とっていただいているので、お願いします!

初めてのことなので、ちょっとどこまでできるか試し試しにはなりますが、みなさんよろしくお願いします。

全員:お願いしまーす!

大端:意外と質問をですね。たくさんいただいていて、すごい色々。ありがとうございます!

大木:ありがたいですね。

大端:じゃあさっそくちょっと順不同というか、アップロードした順でいきますけどいいですかね、みなさん。

こんな感じで、僕の画面に質問が出るようになってます。

足立:(順番は、質問を)先に出してくれた人からでいいんじゃない。

大端:これかな。はい。

地震対策について、何がよいのか聞きたい

大端:地震対策で耐震、制震ダンパーとかいろいろあるじゃないですか。なにを重視すればよいのか?

結局みんな「(うちの扱ってる工法・商品が)強い」って言っちゃうから、何がいいのかわからないっていう話になるのかなって、ちょっと思いまして。

まずは地盤のチェックが大前提

足立:地盤のことは言わなくていいのか、どうなのかっていうのはちょっと微妙なんだけど。

桑原:地盤が一番関係するから、やっぱできれば地盤のいいところですかねぇ。

大木:どれだけ建物強く作ってもね。地面がグラってなっちゃったら、もうどうすることもできないですからね。

大端:まずは地盤。その「地盤」って、調べ方があるんでしょうか?

足立:地盤調査をすれば。後はハザードマップで液状化(するエリア)だけは出てるけど、あれすごいざっくりなんですよね。

大木:まず、ざっくりそこで調べて、例えば、もう土地を持ってて、「建てるところ決まってるよ」って方だったら地盤調査するのが一番だし。

「これから土地を買うよ」って方は、買う前に、周辺の状況、地盤調査をした結果っていうのを工務店に聞けば出てくるから、「この辺の土地は強いですよ、弱いですよ」みたいな基準で補強が必要か、必要じゃないかみたいな判断が一つできるかなと思います。

大端:そのハザードマップっていうのは調べれば出てくるんですか?

足立:浜松市、ハザードマップで検索すれば出てきます。

大端:行政が管理してるということですか?

足立:そうですね。

大木:色別に分かれてて、「ここは大丈夫だ」とか、「ここはやばい」とかという感じに分かれてますね。ざっくりですけど。

地盤補強は地震の被害を保障するものではない

大端:その地盤をチェックした上で、あとは建物をどうしていくかという話になりますよね。耐震、制震、免震とか。3種類ぐらいよく聞きますが。

大木:大きく分けてそれぐらいですよね。

足立:その前に補強工事も言いたいんだけど、ダメ?(笑)

大端:僕は気になりますけど。マニアックじゃなければ(笑)

足立:地盤補強工事も土地の状況によって変わるんですけども、中にはダメな地盤補強工事みたいなのもあるので、そういう風なものには注意した方がいいっていう。

大端:
注意のしようあるんですか?それ。

足立:ないね(笑)

大端:(笑)
改良できてない、ってことですか?

足立:まあ、その土地の状況によって適した補強工事って色々あるんですけど、あんまり知識がないところだと、間違った補強工事だったりということもあるので。

じゃあ何で判断するかっていうと、うちに来てくださいっていうしかないんだけど(笑)

補強工事もちゃんと考えないと、やっぱりいろんな災害が多くて、土砂崩れから、洪水から、色々あって補強工事しているのに、(それなのに)崩れてるっていうのもあったりするんで、そういったところはちょっと調べた方いいよということを先にいっておきたいなあと思います。

大木:まあ詳しく知りたかったら、まずやっぱり個別に行くしかないね。

そもそも、「地盤補強が必要な土地はいやだ」みたいな風潮ってちょっとあって。確かにお金はかかるんだけど、「補強しなくてもいいかな、どうかな〜」ぐらいの土地ぐらいだったら、マイナスに捉えるんじゃなくて「補強してお金はかかっちゃったけど強い地盤が手に入った!」っていう感覚でいてほしいなっていうのは、いつもお客さんには言いますね。地盤は、強くて悪いことはないので。

桑原:注意した方がいいのは、地盤補強っていうと「地震がきても大丈夫」って考えがちだけど、補強工事はあくまで平時に不同沈下を起こさないための補強なので。

大木:何にもしてないのに傾いちゃったみたいなのをなくすものだからね。

大端:あ、そうなんですか!?

桑原:「これで地震が来ても大丈夫だね」っていうことではない。

大端:あーそうなんだ。ちょっと、そこの認識のずれ、けっこうあるかもしれませんね。

桑原:そうですね。地震の被害を保証するものではないですね。

よくあるのは、南側だけがなんか沈んで建物が傾いたというようなのは、保証の対象になるけど、地震がきて傾いたとかっていうのは地盤補強の対象じゃないんですね。

大木:あと、液状化もやっぱ対象じゃないんですよね。

大端:皆さん基本的にその辺は共通の知識があって、ここに今、出てらっしゃる方だったら、ご相談しても同じような対応になるんですかね?基本的には。

大木:それぞれやってることは、たぶん違うとは思いますけどね。

大端:工夫がそれぞれあるということですね。

大木:まあ、とにかく地面は強くなきゃダメだよって言う話ですね。
これ、まずは大前提ね。

大端:やっぱりそうですね。で、その上で建物を強くしていくという感じですかね?

「地震対策について何がいいのか」っていう話には、なんてお答えしてあげるのがよいでしょうか?

土地選びも、住宅会社と一緒にするべき

丸山:土地選びからですかね。もし、今、「土地が決まってない」「エリアがどこでもいい」って言うのであれば、やっぱり土地、地盤がいいところに優るものはないです。

土地選びの段階で、僕らみたいな工務店に声をかけてもらうのが、本当は一番リスクが少ないです。

大木:不動産屋さんは、地盤の強い弱いって関係ないからね。やっぱり工務店を決めてから土地を探すのが正解になってくるんですよね。

丸山:新しい分譲地が軒並みダメとは言わないんですけど、古くから建ってる町ってのはやっぱり、地盤がいいところに当然、まち作ってるんですね。地域の古い建物がある神社とかって、絶対、地盤がいいですよね。

大端:ああ。これまであり続けてるからってことですかね?

丸山:これはね、けっこう当たっていると思うんですよね。

桑原:それは間違いなくそうだよね。

大木:潰れちゃいかんものだからね。強いところに建ってるんだよね。

丸山:よく地名から分かるっていうけど、それもけっこう当たってますよね。
僕は掛川の工務店なんですけど、地盤あんまりよくないよね(笑)

桑原:そうだね、掛川・袋井は悪いよね。

大木:「岩」がついている地名とかはすこぶる強いからね。びっくりするぐらい地盤強いんですよ。

桑原:「谷」とか「沼」とかは弱い。

大木:だめですね。

桑原:「台」がつくところはいいですね。「染地台」とか。

袴田:(自社のある)鴨江の「江」ってさんずいあるんですけど、さんずいがあるところもあまりよくなくて。

大木:川だよね。

袴田:うち作業場があるところが20mぐらい地盤が悪いみたいで。道路も大型トラックが通るところとか、ウネウネしてるくらいなんですよね。

大木:そのへんも、軽く参考にという感じですかね。

大端:土地から探す場合はとにかく、その時点で工務店さんと一緒に探していくのが、対策としては一番いいということですかね。

丸山:それがいいと思いますよ。色々決める前に声をかけて、一緒に家を建てるパートナーを工務店、設計事務所から決めるのがいいですよね。

大木:間違いないね。

大端:なるほど。

足立:あとは、土地があって、元々そこに住んでいて、とか、建て替えとかの場合でも、諦めちゃだめですよ。ちゃんと補強工事すれば、強くなります。

丸山:リカバリーはやり方ありますからね。

足立:そうそうそう。なので、地盤が悪くても、そこを引っ越してまでってことはしなくても、ちゃんと費用をかければ、補強工事はできるんで諦めないで大丈夫です。プロに任せてください。

大端:なるほど。非常に心強いですね、そういうのは!

制震はプラスアルファ。まずは耐震等級3を!

桑原:で、建物?

大端:建物のこともちょっと聞きたいですね。

丸山:耐震性の話もね、みんなでこの前したじゃないですか。僕は、やっぱりバランスだと思いますね。

桑原:それは大前提だよね。偏心率って分かるのかな。

足立:重心と剛心、直下率…

大端:難しい(笑)

桑原:直下率とかね。

大木:何かだけ良ければいいわけじゃなくて、トータルでバランス取らなきゃダメだって話ですよね。

丸山:そういうことですよね。

足立:過度に「耐力壁が強い」ってのは間違いだよ、ってことは言っておいた方がいいかな。

大木:耐力壁って言っても分からんのじゃない?

足立:あ、そっか。難しいな(笑)

大端:耐力壁は、要は地震に耐えるときに壁を作るわけですよね?

大木:地震に耐える壁を1セット作る。これが耐力壁ね。それがいくつあるかとか、どのくらいの強さがあるかみたいな話になってくるんですね。

足立:そう、で、それが何倍とかっていう話もあるんですよ。

一つの区画で、筋交いだけだと2.5倍だけど、構造用合板一個だったら4倍とか3.5倍とか、ダブルで張ると7倍とかにっていう風に。その一つで耐え得る力が違うんだけど。何も知らないところが「うちは7倍耐力壁だから地震に強い」なんて話を言ってるので「それは全然間違いだよ」っていうことを言いたい。

大木:だから、そこもバランスが悪くなって、余分な力がかかったりとかするから、やっぱりバランスなんですよ。

足立:そう。そこも丸山さんのおっしゃる通りに、やっぱりバランスで考えなきゃないけないので。理想は少ない力・耐力壁で、バランス良く配置するのが一番ベストなはずなんです。そこを勘違いしちゃいけないよ、っていう。

耐震等級3のそういう偏った一極集中の耐力壁の配置をするより、耐震等級1をバランスよく配置した方が地震には強いっていうパターンもあるので、そこってむずかしいんですよね。

大木:足立さんの話は難しいなあ(笑)

足立:(笑)。まあそうは言っても耐震等級3とるのは大前提なんですけど。

大木:そうだね、耐震等級っていうのはもう3は絶対。とらなきゃだめ。

足立:あと、免震、制震どっちがいいのっていう話でいうなら、間違いなく免震、制震置いといて耐震が先、っていうのは絶対条件だと思います。

どう思います?みなさん。

大木:制震をやってるから大丈夫だよとか、制震ダンパーのCMなんかでも出てたりして「それがあるから強いですよ」みたいなのがあるんですけど、僕は制震っていうのは、耐震をやった上で制震をプラスする、っていう感覚なんで、制震だけやってりゃいいってもんじゃないんですよね。

耐震もやって制震もさらにプラスしてるよっていうのが正解じゃないかなと思うね。制震をやるならね。

桑原:そうですよね。制震はプラスアルファ。安心材料。まずは耐震で揺れに耐えれるものにしなきゃいけない。

免震は地盤が弱いとこでやっても意味がない。メーカーさんの仕事で免震住宅って何十棟かやってたけど地盤悪いとこはダメなんですよ。

大木:今って免震住宅ってだいぶ減ったよね?一時、流行りみたいにすごく免震がやられてて、工事も見たことあるけど、最近見ないかな。言っちゃっていいのかな?

桑原:コストがかかるんでね。そこまでやんなくてもっていう。地盤が強くて、免震やればやったでプラスアルファ以上の安心感はあるかもしれないけど、やっぱどこまでいってもコストがね。制震よりも全然、何十倍もかかるんでね。あと、メンテナンスもやっぱり必要ですね。

大木:やり方によっては地震が起こった後に何か直さなきゃいけないとかいうのもあるのでね。

大端:免震って揺れないようにするってことですか?「免れる」っていう(言葉ですけど)。

桑原:基礎と分離してあって。

丸山:浮かせてあるね。

大端:あー! 下だけ揺れるって感じですかね。上は浮いている、みたいな。

大木:そうそう、そんな感じ。

大端:なるほど、制震は逆にどんな感じですか?

大木:制震は、力を逃すっていうか。お相撲で言うところの「うっちゃり」ってよく言われるんだよね。力を外へすっと逃すような感覚だね。
そういうのは、よく例えで言われるんだけど。(振動を)吸収するというか。

大端:なるほどなるほど。じゃあ、耐震の方が大本の耐力と言うか。

大木:そうそうそう。

足立:耐震やらずに逆に制震やってるとこは、ちゃんちゃらおかしい話なので。

大木:そこはちょっとおかしいですね。

大木:絶対に耐震プラス制震。プラスアルファで制震だね。制震は悪いものではないんだよ? いいものなんだけど、プラスアルファで入れなきゃだめだよってことだね。

桑原:プラスアルファで考えた方がいいもの、ってことね。

足立:俺は正直、制震はいらないと思ってるけどね。

大木:僕もいらないと思う。

足立:(きちんと作れば)耐震で十分、繰り返し地震まで耐えられるよ。

大木:「何回も起こる震度7」に耐える粘り強さをどう作るかっていうのがすごく大事なところだね。

大端:じゃあ、基本的には耐震ありき。免震はコスト的にちょっと今はもうあんまり選択肢には入ってないんですかね。

大木:ちょっと少ない感じだと思いますね。

大端:で、より安心したいんだったら、制震ということですかね。制震はなんかそういう装置があるんですよね? ダンパーとかよく聞くんですけど。

足立:ただ、いま、耐震の状態から効く制震も出てるけどほとんどの制震ダンパーって結局壊れてから機能するものなので、そもそも、制震ダンパー機能する時って建物が存在できない状況になってるっていう事が大前提になっちゃうので。
最近は、耐震の時から効き出すよ、って言うのが色々出てます。一概には言えないんですけど、ちょっと前まではほとんどがそう(建物が壊れてから機能する)だったんで、あくまで保険なんですよね。制震は。

大端:柱とか梁とかが地震、耐震で耐えられなくって壊れちゃった時に、つっかえさせて、さらに壊れないようにするっていう感じですかね。

足立:そう。あと、オイル系とゴム系があって、それぞれ耐久性も違うっていうこともあるので、本当に30年、制震が活きてるかっていうのはちょっと僕の中で、はてながつくので。なので、やっぱりそこに頼らず、耐震とかちゃんとやった方が間違いなくずっと(性能が)活きるので。

大端:耐震は、建物そのものだから(耐久性がある)ってイメージですかね。

大木:制震ダンパーって使ったことある人いる?(約半数が挙手)あぁ、あるんだ。僕はないんですよね。ここ最近はないんだね。

桑原:ここ最近はないけどね。(やったときは)耐震等級3を取って制震を入れた。

大木:それはいいですね。例えば、普通の四角い建物じゃなくて、コの字型の建物とかL型してるとかっていう、力の伝わり方がちょっと特殊な場合なんかに、制震を入れるのはいいっていう話はよく聞くけどね。揺れ方が違うって言うのかな。

大端:いずれにしても、耐震とか制震で、使い方を一緒に考えちゃダメなものってことですよね? けっこう、一緒に考えてる気がする…

大木:そうだね。「制震がいいと思うから私は制震にする」っていうのとは違いますね。耐震をどうやるかですよね。一番大事なのはね。やっぱり耐震のやり方が大事になるよね。

大端:とにかく、そこだと。その耐震についてはさっき仰ったみたいに耐震等級3を取るっていうのが大前提であると。

足立:あと構造計算もね。

大端:耐震等級3を取るのと、構造計算っていうのは別物ですか?

足立&桑原:別物。

大木:別物。両方やらなきゃいけない。

大端:両方、やらなきゃいけない。

桑原:「許容応力度計算」っていうのをしなきゃいけない。

大木:内容は知らなくていいんだけど、そういう計算をするってのは絶対。

大端:逆にそれをやってない業者さんもけっこうあるってことなんですか?

大木:結構どころじゃなくほとんど。

足立:ほとんどですね。

大端:ほとんどやってないと…。

大木:こういう話は何度してもいいと思う。ほとんど、やってない。

足立:本当にね。逆に、(やっている人でも)意味わかってやってる人も少ないね。正直言って、この(建築展に出展している各社の)レベルで言ったら、耐震等級3は当たり前として、「プラスアルファで何やってるの?」って聞いたほうがいいと思います。

ここにいる皆さんは「耐震等級3で同じくくりにされたくないよ」って絶対思ってるからね。

大木:同じ耐震等級3の中でもいろいろあるからね。

足立:プラスアルファ何をやってるのかっていうところも質問して、それでちゃんと返答できる人だったら、けっこう信頼してもいいのかなって思います。

大木:そこまで言ったら本当にちゃんとしてる業者さんだから間違いはないでしょうけど、とにかく耐震等級3はやってなきゃ話にならない。

で、許容応力度計算っていう構造計算をやってないっていうのも話にならない。まずはそこからね。

プラスアルファ、何やってるかっていうのが聞ければさらにいいね。

で、うちのお客さんじゃないけど、これ実際にあったんだけど。「私、耐震等級3でやりたいです」と。それをお客様からその工務店に伝えてたんですね。最初から言ってたので、3でやってると思ってたんです。そのお客さんは。実際に登記するときに、評価書みたいのが出てきて、そこに耐震等級2って書いてあったと。

全員:(笑)。

大木:ずっと「3で」って言ってて、出来上がってきたら「どういうこと?」っていう。そういう事実もあるってこと。

「なんでだ」って言ったら、本当に3でやってなかったんですけど。普段3でやってないから担当者には3でやりますって言って、それが構造の方の担当には伝わってなかった。だから、構造やってる人は普段と同じだから2のままでやっちゃった。っていう結果なんですよ。

だから、何が言いたいかっていうと、やっぱりいつでもどの家でも耐震等級3をやってるというのは当たり前にしなきゃダメなんですよ。

「言われたらできます」っていうのは、まあそこは言われてもできなかったんだけど、言われなきゃやらないってことなんですよ。

「言われればやります」は、「言われなきゃやらない」だし。言われてもやらなかった最低のパターンですけどね、そこは。

「〜相当」「〜仕様」にご注意

足立:耐震等級3相当も同じね。

大木:ああ、「相当」ね。「相当」。

大端:「相当」は駄目?

大木:相当って3じゃないですから。

足立:なんなの?相当って。(構造的に)耐震等級3を取ってるなら、耐震等級3の認定とったほうが優遇措置とかあるし、色々得することが多いわけだから取るべきなんですよ。なのに「3相当」って言っているっていうのがね。それはね、たぶんわかってない人がいうだけの話であって、ありえない。

大木:火災保険の地震保険ひとつ取った、(耐震等級)3と2だけでも30万、40万、普通に変わるもんね。

大端:相当違いますね。

桑原:50%オフになるからね。

大端:3になると50%オフになるんですか?

桑原:静岡は高いからね、地震保険。だから、「相当」って言うのは、「相当」なのよ。長期優良住宅の話になっちゃうけど、「長期優良住宅仕様ですから」って言うところとかあると思うんだけど、「仕様」にもなってないからね、きっと。

足立:なってない、絶対(笑)

桑原:(今、このトークライブを)14人しか見てないから言っちゃうけど(笑)

大木:言っちゃえ言っちゃえ(笑)

桑原:うちに来ていただいたお客様には言うんですけど、「長期」の認定取るのに、申請が終わるまでに1か月ぐらいかかるんですよ。

僕らが若いころの確認申請は一週間とかかかったけど、今は即日許可が下りるんだよね。そうすると、今日図面出しても明日から着工って可能なんですよね。それが、長期を取ると、(着工は)一月後になっちゃう。ぶっちゃけ、僕ら工務店はお金の回転を早くしたいので、早く着工して、早くお金を入れたいっていうのが、本音は本音なんですけど。

でも、その3週間で、長期優良住宅を取ることでお客様にもメリットがあるし、工事の内容だってそれなりのレベルになるから絶対に勧めるんですけど。やってないところっていうのは「費用が多くかかります」とか「期間が長くなるから」とか言うんですけど。

大木:「長期は取っても取らなくても一緒だよ」みたいにね。

桑原:そう。でも、一緒じゃないし。お客様には「一生住む家、ひと月待てませんか?」って言うんです。待てば認定を取れるし、税制面の優遇もあれば、一応、ローン減税の優遇もあったり、さっき言った地震保険の優遇もあるので。そういうことを説明するんだけどね。

大端:ちゃんと認定取った方がいいよ、って話ですね。

桑原:うん、「相当」なら取ればいいじゃん、って。

大端:ここにいらっしゃる皆さんは長期でやってらっしゃるっていうことでいいんですかね?

足立:長期は最低基準です。

大木:長期はもう最低基準。お客さんがいらないって言っても長期は取る。説明しないぐらいですね、当たり前なので。

丸山:長期っていう説明を、俺の会社もしてなかったけど、説明ちゃんとした方がいいかもね。「長期優良住宅ってこういうものだよ」とか。

本当に思うのは、長期なんのためにやるの?って。そりゃ税制優遇もあるし、ひとつのモノサシで「信頼される家」っていう評価もやっぱりあるんだけど。

やっぱりそれをちゃんとやってるってことは、長い目で見た時に、将来的にその家が「価値を持つ」っていうふうにね。日本の不動産って、流通がそうなってないけど、そういうふうに僕らで持っていきたいじゃないですか。

桑原:そうだよね。

丸山:作った「いい家」が資産になる社会にしたいよねっていうところで、そういう意味をお客さんにも理解してもらって、「いい家を作るんだ」と。

資産として、ずっとローンを払っていたのに、22年だっけ? 払い終わるころにはもうゼロ円みたいな。そんなのバカみたいな話じゃないですか。

そこに物申したいっていうのもあるし、今の流れの中で行くと長期に乗らない手はない。「(長期は設計の制約が)うるさい」って人(業者)もいるけど、長期の枠組みの中でどれだけいい家を作るかっていうところが腕の見せ所なんじゃないかな。

僕も細かい話だったんで、あんまりお客さんに言わなかったんだけど、これからは言おう、って最近思い始めた。(笑)

大木:「お客様の家は普通より価値の高い家なんですよ」っていうのを伝えなきゃいけないんだよね。俺らも悪いのかな。(笑)

丸山:そう!(笑)

足立:ここにいるメンバーで話してると、当たり前のものとして、説明するまでもない、って思っちゃう。

大木:当たり前になりすぎちゃってるってのはあるかもしれない。

桑原:あと、住宅履歴が残るっていうのは大きいよね。あれは。

大木:大きいと思う。これからだよね、あれが効いてくるのは。

大端:住宅履歴についてちょっと教えてください。

大木:車のメンテナンス履歴と一緒よ。車って「オイル交換しました」とか「タイヤ交換しました」みたいなのって全部、履歴を残すじゃないですか。

あれと同じで、長期優良住宅は「こういう手入れをしました」とかっていうのは必ずインターネット上に残すようにしなきゃいけないんです。

だからそれ(家)を手放すってなった時に、「この家はこういう点検をして、こういうリフォームをして、こう言う不具合を直してきましたよ」って履歴が残ってるので、それだけでもちょっと価値が違うんですよね。

大端:逆に、今まではそういうのがなかったってことですか? 家には。

大木:ない。昔の家にはまったくない。

大端:それはそれで恐ろしいですよね。

大木:ていうか、ちょっと待って。地震からすごくずれてない?(笑)

一同:(笑)

制震や免震っていくらくらいかかるの?

大端:YouTube(チャット)から質問が来ていて。

「制震や免震を導入するとどれくらい予算が変わりますか?」

桑原:これね、システムによって違うけどね。

大木:制震ってどうなの? 大体1軒やって50万とかって言われるけど。

足立:20万とか、30万いかないくらいだと思う。

大木:100万とかかかるもんじゃないよね、制震はね。

桑原:免震はね、最低300万ぐらいかな。300〜500万はかかる。

大端:免震は、耐震とは全く別物なんでしたっけ。免震だったら免震だけでよくなっちゃうってことですかね?

大木:それはダメ。耐震があって、その基礎とか下の作り方が違うよっていう話で。下の作り方が免震で、上が耐震って話なので。

大端:じゃあ、追加でその300万が必要ってことですね。

大木:そういうことです。

桑原:システムによっても変わるけどね。

大端:やっぱり全然違いますね、規模感というか、予算感が。
はい。ひとしきり、耐震の話はできたんですかね? あ、袴田さん。

将来的な太陽光パネル搭載も含めて構造計算しておこう

袴田:屋根が軽いとか重いとかでも変わりますよね。

桑原:屋根と、壁もね。

大端:屋根材。瓦がどうとか、そういうことですか?

桑原:建物自体は、軽いに越したことはない。

大木:軽い方が揺れにくいから、壁の量を少なくしていいよみたいな。

足立:間違っちゃいけないのは、瓦積んじゃダメっていう話ではない。重いなら、重いなりの構造計算をすればいいだけなのことなので。だから、「瓦使ったから地震に弱くなる」っていうのは絶対間違いだよ。

大木:あとそれ、太陽光パネルを入れるとき。軽い屋根で計算したまま、太陽光パネルそのままつけちゃってるみたいなのがいっぱいあるじゃんね。

大端:ああ〜

桑原:だからそこを載せる予定があるなら最初から重い屋根で計算しとく。

大木:ちゃんと構造計算する人は将来的に太陽光パネルを載せたいっていうので、まあ最初から載せるにしてもそうだけど、パネルこのぐらいのせると何百キロなりますとか、そこまで計算に入れてちゃんと構造計算をするんですよ。

大端:なるほど、そういうことなんですね。

大木:そう。だから300キロ重くなるなら、その分、下を強くしとかなきゃいけないよって話なんですよね。将来の可能性も考えないといけないので。

絶対載せないんだったら考えなくていいですけど、可能性としてあるんだったらそこまで(ちゃんと考えなきゃいけない)。構造計算すればそこまで詳細に計算できるんですよね。

でも、それを構造計算してなかったら、重さ関係なく、(住宅会社が)「あー大丈夫大丈夫、うちの家は強いから載せられるよ」みたいな話になっちゃうんですよね。

袴田:最初の構造計算する設定の時に、軽い屋根とか重い屋根とか選んで計算するんですよね。

大端:なるほど…。非常に奥が深いですね、このへんの話は。

足立:うん、一週間話せるよ。

大端:(笑)。まずはとにかく地盤っていうか土地が大前提としてあるからできれば工務店さんと一緒に目利きをしてもらって。

建てる時にも、地盤の改良の仕方にも色々あるから、それもちゃんと知識ある人にお任せしなきゃいけないし。

で、上は上で耐震、制震、免震とかあるけど、ものがやっぱり違う。まずは耐震だと。耐震等級3は大前提として、そこからどんな工夫をしてるのかを皆さんに確認をしていくというような話ですかね。

所々に落とし穴じゃないけど、なんかいろいろ闇があるという話なんですかね。

大木:闇はね、あるよ。この業界、闇ばっかりだからね。

足立:最悪よ、本当に。

大端:(笑)。そういうこと言わないでください。次行きますよ!

(続く)

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